食べ物の持つ酵素と消化の矛盾を考える

タンパク質を分解するパイナップルの消化酵素と胃液の消化酵素の矛盾を考える
パインアップルをお肉と一緒に食べると、パイナップルの持つブロメラインという酵素がタンパク質を分解するので、お肉を消化する助けになる、と言う話をご存知でしょうか?
これは非常に有名な話で、パインアップルをネットで売ってる業者さんなどの商品説明には必ずと言っていいほど記載されています。
また、それとは逆に、食べ物が持つ酵素を食べたとしても、唾液や胃液の中にある消化酵素に分解されて、酵素の働きが失われるというのも有名な話です。
両者の意見が正面からぶつかり合って、全く矛盾しています。
ネットで調べてもそれぞれの意見を片側からしか書いてないのでハッキリしません。
そこで、素人ながら自分で実験をしてみることにしました。

まず酵素とは何なのか?というところからですが、酵素とはタンパク質をもとに構成されてる、簡単にいうと「生物がみんな持っている小さな職人さん」って感じです。
酵素という目に見えない職人さんが、体に入ってきた物質を変化させ、消化をさせたり代謝をさせたり、物質を有効的に使えるように働いています。

どんな生物にも酵素があるので、普段何気なく食べている物にも含まれています。
ただ、この酵素は生物が生きることが出来る温度帯で活発に動きますが、生物が生きられないような高温では壊れて働かなくなります。
つまり食べ物を加熱すると酵素は壊れるということになります。
一般的には42度以上、60度ぐらいで壊れてしまうようです。
そんな小さな職人さんである酵素を、自分が持ってる職人さんだけでなく、外からの応援部隊として取り入れようとするのが、先ほど話したパイナップルを食べる行為になります。
自らの消化酵素だけでなく、元々パイナップルが持っているタンパク質分解酵素をお肉と食べることによって、応援部隊に仕事をさせて、自分はなるべく働かないようにしようというのです。
ところが、その意見には逆説があり、自分のおかかえの職人さんは、外からの応援部隊もろとも消化をしてしまうので、応援の意味がないという話です。
さぁどうちらが正しいのでしょうか?

僕は非常にもたれやすい体質で、夜に肉や脂っこいものを食べると、寝起きは必ず胃がもたれます。
恐らく消化能力が人より劣っているのではないかと思います。
ですので、もしパイナップルが消化を助けてくれるなら、次の日の朝にお腹がスッキリしていてもいいはずです。
そこで、パイナップルを食べない日と、食べた日で翌朝の状況をチェックしてみました。
まず、実験状況の説明です。

飲食時間:深夜0時
食事内容:鯖の塩焼き、麻婆豆腐、肉じゃが、ライス、野菜ジュース、ヨーグルト
就寝時間:深夜3時

この条件で、パイナップルを食べた時と食べない時の比較をしました。
ちなみにパイナップルの量は、丸ごと1個です。
丸ごとと言っても小ぶりなやつで、だいたい高さが13センチぐらいのやつです。
さらに同じ事を念の為2回繰り返します。

そしてその結果ですが・・・
パイナップルを食べた時の方が明らかにスッキリしていました!
どうやらパイナップルの酵素は胃液で壊されないようです。
もしくは元々胃酸が少ない僕だから、パイナップルの酵素が働く余裕があったのか。
それとも大量のパイナップルを食べたので胃酸が追いつかなかったのか。
まだこれだけではまだハッキリしません。
ひょっとしたらパイナップルを食べたことによって、酵素以外の何らかの影響があったのかもしれません。
ですので、パイナップルを電子レンジで2分半温めて熱々にして、酵素を壊してから同じ条件で食べて実験してみました。
その場合、翌朝お腹はもたれたままでした・・・
じゃあ今度は、パイナップルのクエン酸が胃液の分泌を増やしたんじゃないかと疑い、パイナップルの変わりに「梅干」と「レモン」を一緒に食べてみました。
もちろん食べる条件は毎回一緒です。
梅干は合計5個、レモンは丸ごと1個を搾り、水で薄めて食事中にチョコチョコ飲みました。
これでかなりクエン酸をとりました。
結果は・・・微妙にお腹がスッキリしています。
でもパイナップルほどではないような・・・でも近いような・・・本当に微妙です。
さらに実験を続け、今度は同じ条件でパイナップルの量を半分に減らしました。
すると次の日、若干もたれています・・・
まとめると・・・

パイナップル無し :お腹スッキリ度 ☆
パイナップル1個 :お腹スッキリ度 ★★★★★
パイナップル半分 :お腹スッキリ度 ★
加熱パイナップル1個 :お腹スッキリ度 ☆
梅干5個・レモン1個 :お腹スッキリ度 ★★★

以上の結果から、パイナップルを大量に食べた場合は、パイナップルの酵素の働きが消化を助けてくれると自分なりの答えを出しました。
でも、一つ言えるのは、小ぶりとはいえ毎回パイナップル1個を食べるのは不可能に近いです。
カットしてみると、軽くどんぶり山盛り一杯の量があります。
しかも少し食べただけではほとんど変わらないので意味がありません。
ちなみに上の写真のパイナップルで半分の量をカットして乗せただけです。
しかも缶詰では加熱してあるのでダメです。
というわけで、胃もたれしやすい方は、食事の半分以上を「生」または「発酵食品」にするといいかもしれません。
特に圧倒的におすすめは「大根」です。
大根の持つ酵素は胃酸の中の「酸性環境」にも強いらしく、パイナップルの酵素より胃の中でも働きやすいです。
でも、普通のさんま定食についてる量じゃ少ないと思います。
せめて倍は欲しいですね!
僕の場合は、夜中にハンバーグを食べたとしても、ハンバーグとほぼ同量の大根おろしをかけておろしハンバーグにすると、次の日全く胃がもたれませんでした。
量で比較するとパイナップルより大根の方が圧倒的に消化を助けてくれます。

ちなみに当社のスタッフの中にご家族が消化器内科の先生だという人がいます。
そのスタッフを通じて先生にこのパイナップルの消化酵素の矛盾の質問を聞いてもらったところ、「どちらも完全に否定は出来ない。食べ物の酵素は胃に入って少しづつ壊されるけど、無意味ではないし、消化をサポートするぐらいの効果はあるでしょう。」と言うことでした。

最後におまけですが、少し汚い話しなのでご注意ください!
パイナップルを食べた次の日は異常に「便通」がいいです!
次の日の午前中にかなりスッキリ出ます。
腸にたまっていた物が全て出たのではないかと思いました。
なぜなら明らかにアレからパイナップルの香りがするんです・・・
大根の場合も全く一緒でした。

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食べ物の持つ酵素と消化の矛盾を考える への2件のコメント

  1. なおこ より:

    自分の体で実験されるなんてすばらしいです!知りたかったことをばっちり教えていただきました。ありがとうございました!

    • DAD より:

      コメントありがとうございます!
      やはり気になっていた方がいらっしゃったんですねー。
      僕はかなり前から調べていたんですが、雑誌やyahoo知恵袋ではスッキリしなかったので自分で解決することにしました。
      お役に立てて良かったです!